ソニー・インタラクティブエンタテインメント（以下、SIE）は2月27日、日本を含む世界の全従業員のおよそ8％にあたる約900名の削減に着手する計画を発表しました。
これにより、PlayStation Studiosのいくつかのスタジオも対象になり、開発中のプロジェクトにも影響が及ぶとのことです。
この記事では、SIEによる人員削減とその影響について見ていきます。
全従業員の8％、約900人を解雇
2月27日、SIEのジム・ライアン社長兼CEOは、「各国・地域の法律や協議プロセスに従いながら当社の人員全体のおよそ8%にあたる約900名の削減に着手する」と発表しました。
対象となるのは、米州、欧州、日本およびその他のアジアパシフィックを含むすべての地域の社員としています。
PlayStation Studiosのいくつかのスタジオも対象となるということです。（後述）
日本には約1,700人（2021年3月時点）の従業員がおり、削減人数は決まってはいませんが、SIE社外への転身に向けた「ネクストキャリアサポートプログラム」を提供するとのことです。
なぜ人員削減する？
なぜSIEは人員削減をする必要があるのでしょうか？
SIEのジム・ライアン社長兼CEOは、以下のように述べています。
過去数ヶ月にわたり、SIEを取り巻く経済的な状況や、製品の開発、発売、販売におけるプロセスの変化、そして目まぐるしく変化する業界で私たちの組織の将来をいかに確かなものにしていくかについて議論を重ねてきました。その上でSIEのリーダーシップチームと私は、SIEにとって厳しい決断は不可避であると判断し、事業の構造改革を行うことにしました。
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この中で特に大きな影響を受けたと考えられるのが、経済的状況だと思われます。
ソニーグループは2023年第3四半期の決算発表において、ゲーム＆ネットワークサービス分野の営業利益の減益を発表しました。
具体的には、PlayStation 5のプロモーションなどによるハードウェアの損益悪化により、前年同期⽐301億円と⼤幅減の861億円、調整後OIBDAは268億円減の1,131億円とし、通期の⾒通しは売上⾼を前回から2,100億円減の4兆1,500億円としています。
また、年間2,500万台を前提としたPlayStation 5の販売台数目標も2,100万台前後へと引き下げています。
このような状況からソニーグループの株価は急落しています。
最新の四半期決算報告で明らかになった期待外れの利益率を受けて、従業員の大幅な解雇に迫られたと考えられます。
どんな影響がある？
今回の構造改革により、どのような影響があるのでしょうか？
PlayStation Studios統括責任者であるHermen Hulst氏は、構造改革の影響を受ける開発スタジオについて発表しています。
最も影響を受けるスタジオは設立から 22 年経つLondon Studioで、解散が提案されています。
London Studioは、『The Getaway』やPSVR対応の『Blood & Truth』で知られ、2022年10月には英国の首都を舞台にしたオンライン戦闘ゲームの開発を発表していました。スタジオの閉鎖に伴い、ゲームの開発も中止となります。
ほかには、同じくPlayStation StudiosであるGuerrilla GamesおよびFirespriteでの人員削減が発表されています。
Firespriteは約2年半前にPlayStationファミリーの一員となったスタジオで、PSVR2用の『Horizon Call of the Mountain』をGuerrilla Gamesと共同開発しました。Firespriteが手掛ける『ツイステッド・メタル』は開発が中止となったそです。
また、FirespriteがPlayStation 5向けの最新ホラーゲームを開発していることが知られており、2025年の発売が噂されていました。このホラーゲームの開発が中止になったかどうかは現時点では不明です。
ほかに影響を受けるのは、「アンチャーテッド シリーズ」のNaughty Dog、「ラチェット＆クランク シリーズ」、「マーベル・スパイダーマン シリーズ」のInsomniac Gamesの開発スタジオのほか、テクノロジー、クリエイティブ、サポートに関わるチーム としています。
Hermen Hulst氏は以下のように述べています。
私たちは、PlayStation Studiosに属するスタジオとポートフォリオの中で、さまざまな開発段階にあるプロジェクトをあらためて精査しました。そして、プロジェクトの一部については、前進を止めることを決定しました。
…PlayStation Studiosは、これからもクリエイター主導の組織であり続けます。大切なシリーズタイトルを進化させ、ファンの皆さんに、今後も高い品質の新たなゲーム体験をお届けしていきます。
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中止となるプロジェクトは不明ですが、ゲーム業界の大きな変化に対応し、わたしたちPlayStationファンの期待に応えてくれるようSIEの活動を応援していきましょう！
まとめ
SIEは2月27日、日本を含む世界の全従業員のおよそ8％にあたる約900名の削減に着手する計画を発表しました。
影響を受けるのはPlayStation StudiosのひとつであるLondon Studioの解散 のほか、Guerrilla GamesやFiresprite、Naughty Dog、Insomniac Gamesの開発スタジオ、その他のテクノロジー、クリエイティブ、サポートに関わるチーム です。
これにより、開発中や予定していたプロジェクトは中止となるそうです。
構造改革により、SIEのさらなる発展に期待しましょう！
今後のSIEの活躍に期待しましょう❗
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