ゲーム好きな人が一度は経験したことがあるであろうコントローラーのドリフト問題。コントローラーを触っていないのに、勝手にスティックが動いてしまうトラブルです。このトラブルにより、新しいコントローラーを購入した人もいるでしょう。
今回紹介するのは、このドリフト問題を解消したBIGBIG WONの『GALE HALLL』というコントローラーです。『GALE HALL』は、以前も紹介した背面ボタン付きコントローラー「GALE」の進化版になります。
「GALE」からサイズや機能はそのままに、進化したポイントを中心にレビューしたいと思います。
『GALE HALL』の使い方や機能は、基本的に「GALE」と同じです。そのため、ゲーム機との接続方法や各種機能設定については、「GALE」の【レビュー編】、【機能設定・PCツール 解説編】の記事をご覧ください。
目次
スペック・付属品(旧型GALEとの比較)
まずは、旧型「GALE」と比較しながら『GALE HALL』のスペックを見ていきましょう。
製品名 | GALE HALL | GALE |
---|---|---|
対応機種 | PC、Switch、iOS、Android | |
接続方式 | 2.4Gアダプター、Bluetooth、有線接続 | |
ジャイロセンサー | 6軸ジャイロセンサー | |
背面ボタン | 4つのカスタム背面ボタン | |
バッテリー容量 | 1,000mAh | |
カラー | ブラック/グレー | コントローラーのみ:ブラック 充電スタンドセット版:ブラック/ホワイト |
ジョイスティック | ホールセンサースティック | カーボンフィルムスティック |
交換用スティック | あり(低・中・高) | なし |
ポーリングレート | 有線接続:1,000Hz (PCツールで1,000Hz、500Hz、250Hzに調整可能) 無線接続:125Hz | |
振動モーター | 大型ローターモーター | 小型ローターモーター |
充電スタンド | 付属 | 充電スタンドセットのみ付属 |
モーションエイム機能 | あり | |
マクロ機能 | 50ステップマクロ | |
スイッチタイプ | メンブレン(前面ボタン) マイクロスイッチ(背面ボタン) | |
重量 | 231g(実測値) | 234g(実測値) |
価格 | 8,999円[税込] | コントローラーのみ:6,999円[税込] 充電スタンドセット:8,999円[税込] |
基本的な性能は旧型の「GALE」とほとんど同じですね。
『GALE HALL』のジョイスティックにはホールセンサーが搭載され、振動モーターは大型のものに変わっています。
意外にも、重量がほんの少し軽くなっていることは驚きです。
「GALE」と同じく2.4G受信機と有線ケーブルが同梱され、充電スタンドが標準で付属しています。
『GALE HALL』には交換用のスティックが3種類(低・中・高)付属しているのは嬉しいですね!(交換用スティックについての詳細は後述)
変わらないデザイン
本体カラー
カラーバリエーションはブラックとグレーがあり、それぞれのカラーでオレンジのアクセントが目を引きます。
充電スタンドとの一体感もよく、インテリアとしても良さそうです。
コントローラー形状
GALE HALL | GALE | |
---|---|---|
正面 | ||
背面 | ||
ショルダー部分 |
ご覧のとおり、『GALE HALL』は「GALE」と同じ形状をしています。
グリップ部分の細かいドット状の滑り止めや、スティックの親指にフィットする適度な凹凸も変わっておらず、「GALE」を使っていた人は違和感なく『GALE HALL』に移行できます。
充電スタンド
『GALE HALl』に付属する充電スタンドも「GALE」と同じ形状になります。
コントローラーを置くだけで充電でき、取り外すと電源が入って自動的に無線接続されるのがとても便利です。
また、充電スタンド背面に2.4G受信機を取り付けることができ、受信機を差し込んだ充電スタンドをPCやNintendo Switchと有線接続すれば、充電スタンドが2.4G受信機の役目も果たします。
旧型GALEから進化した3つの特徴
『GALE HALL』は「GALE」から多くの機能を引き継ぎながらも、さらに特徴的な4つの機能が搭載されました。
新たに追加された機能について見ていきましょう。
なお、「GALE」から引き継いだ機能や使い方については「GALE」の【レビュー編】、【機能設定・PCツール 解説編】をご覧ください。
- 1,000Hzポーリングレート(有線接続)
- 2.4G 無線接続(2.4G受信機使用時)とBluetoothの2つの無線接続対応
- 4つのカスタム背面ボタン搭載
- ホールエフェクト磁気誘導式トリガー
- 6軸ジャイロセンサー
- TURBO機能(連射機能)
- 最大50ステップのマクロ機能
- ジョイスティックデッドゾーン調整可能
- ジョイスティックのアダプティブ校正機能
- 255段階の振動レベル調整
- キーボードのキーをマッピング可能
- PCツールによる細かいカスタマイズが可能
- スマート充電機能
ホールセンサースティックでスムーズな操作性と高耐久性を実現
新たに搭載された特徴の1つ目は、ジョイスティックにBIGBIG WON初のホールセンサーが搭載されたことです。
これまでのBIGBIG WONのコントローラーには、物理的な接点に基づいてスティックの傾きを読み込むセンサーが搭載されていました。
そのため、物理的に接触を繰り返すことで部品が摩耗し、それにより生じたプラスチックの粉などが干渉して、スティックを触っていないのに勝手に入力されてしまう「ドリフト現象」が生じることがありました。
しかし、非接触式のセンサーであるホールセンサーに変わったことで、部品が摩耗しにくくなり、ドリフト現象が起きにくくなりました。
ドリフト現象が起きてしまった場合は、修理したり買い替えたりする必要があったため、この現象が起きにくくなったというのは大きなメリットですね!
耐久性がアップした3種類の交換可能なスティック
『GALE HALL』には3種類(低・中・高)の交換用スティックが付属しています。
高さを測ってみると13mm、15mm、18mmでした。
左右で高さの違うスティックを取り付けられるので、自分が操作しやすいようにカスタマイズすることができます。
素早い操作をしたければ短いスティックを、エイム重視であれば高いスティックがおすすめです。
私は左スティックを一番低く、右スティックを一番高くしています。
より繊細かつ強い振動でゲームに没入できる
『GALE HALL』には「GALE」よりもサイズアップした振動モーターや最新のHブリッジ回路チップ、高電圧ドライブが搭載されました。これにより強い振動が体感できるだけでなく、低速回転時の振動がより繊細に、振動の反応も早くなったということです。
「GALE」と同じく、255段階の振動レベルの調節も可能です。
これでゲームの世界により没入できますね!
「ゼロデッドゾーン」だけでなく「マイナスデッドゾーン」も設定可能
専用のPCツールを使用すれば、左右スティックのデッドゾーンを細かく設定することができます。(デッドゾーンとはスティックを倒したときの反応する範囲のこと)
デッドゾーンの数値を上げると、スティックを大きく倒さないと反応しなくなり、逆に数値を下げるとスティックを少し倒すだけですぐに反応するようになります。
『GALE HALL』では、このデッドゾーンを0にできるだけでなく、マイナスに設定することもできます。
マイナスデッドゾーンを設定すれば、デッドゾーンを消せないゲームでもデッドゾーンを無くすことができます。
PCツールではデッドゾーンのほか、トリガーのデッドゾーンやジャイロセンサーの感度調節、コントローラーの各ボタンに別のボタン機能を割り当てるマッピング設定などが行えます。
PCツールの詳細な使い方は以下の記事で紹介しているので参考にしてください。
GALE HALLの詳細評価
項目 | 評価 |
---|---|
デザイン | |
操作性 | |
機能・性能 | |
PCツール | |
総合評価 |
『GALE HALL』の「デザイン」、「操作性」、「機能・性能」、「PCツール」について評価してみました。ご購入の参考にしてみてください。
デザイン
『GALE HALL』はXbox純正コントローラーの形状によく似ています。そのため、握り心地は申し分なく、長時間ゲームをしても疲れにくいと思います。
ドット状の滑り止め加工が施されているので、手汗をかいても滑りにくい点がGOOD!
アクションボタンの配置はXbox純正コントローラーと同じですが、中心部分にはNintendo Switchのアクションボタン配置が明記されているところも良いですね。
特に、コントローラーを充電スタンドに置いたときの一体感がとてもオシャレで、部屋の見える位置に置いていても違和感なくインテリアとしても良いのが最高です!
操作性
コントローラーの形状がXbox純正コントローラーに似ているので操作性はとても良いです。
正面のボタンはメンブレンタイプのスイッチになっており、Xbox純正コントローラーやNintendoSwitchのプロコンと同じような押し心地です。
背面ボタンはマイクロスイッチタイプで、「コツ、コツ」という感じのやや強めの押し心地になっているので、誤入力が起きにくくなっています。
スティック操作に関しては、ホールセンサー式に変わっているので、スティックを倒し始めたときの中心付近の抵抗感が少なく、「GALE」よりも操作性が向上していると感じました。
また、3種類の高さの交換式のスティックが付属しているので、自分に合ったスティックの高さに調整できるところが良いですね!
「GALE」と同じくBIGBIG WONの「Rainbow2 Pro」に搭載されていたトリガーストップ機能が非搭載なので、トリガーの連打や素早い入力ができないのが残念です。
一応、PCツールでクイックトリガー設定をオンにすれば、トリガーを押し込み始めた瞬間に全入力されますが、物理的なストッパーが欲しいですね。
機能・性能
『GALE HALL』は「GALE」の機能・性能をすべて引き継ぎつつ、「ホールセンサー搭載」や「振動機能の強化」、「マイナスデッドゾーン搭載」など、新たな機能が追加されました。
そのため、1,000Hzポーリングレート(有線接続時)やTURBO機能(連射機能)、マクロ設定、マッピング設定など、引き続き多くの機能が使えます。
ゲームに合わせてコントローラーを自分好みに設定し、勝率を上げましょう!
PCツール
PCツールを使用すれば、「スティックのデッドゾーン設定」や「スティック入力に対する出力の割合」、「ジャイロ感度」など、細かい調整が行えます。
設定をリスト化できるので、ゲームごとに設定を保存しておけばプレイ前に設定を呼び出すことができます。
残念な点としては、詳細設定にはパソコンが必要ということと、PCツールが公式サイトからしかダウンロードできないということです。
「Rainbow2 Pro」ではGoogleストアやApp Storeからダウンロードした信頼できるスマホアプリで設定が手軽にできましたが、『GALE HALL』では公式サイトからダウンロードしたPCツールを使用し、コントローラーをパソコンに有線接続する必要があります。
PCツールはマイクロソフトストアからダウンロードできないため、セキュリティ的にやや不安ですね。
まとめ
BIGBIG WON初のホールセンサースティックを搭載した『GALE HALL』が登場しました。
旧型「GALE」の機能やデザインはそのままに、ホールセンサーやサイズアップした振動モーターのほか、3種類の高さの交換用スティック、マイナスデッドゾーン設定が追加されたコスパの高いコントローラーになっています。
コントローラーと充電スタンドの一体感が素晴らしく、インテリアとしても良いデザインがサイコーです。
ゲーム好きな人が一度は経験したことがあるであろうコントローラーのドリフト問題を解決した『GALE HALL』は、誰にでもおすすめなコントローラーだと思います。
『GALE HALL』はさらにコスパが高くなっていますね!
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