Xbox Game Pass専用のコンソール開発プロジェクト「Keystone」をご存知でしょうか?
2021年に発表され、多くのゲーマーの期待を集めたこのデバイスは、驚くほど手頃な価格でクラウドを通じてXboxゲームを楽しむことができる夢のようなコンソールでした。
しかし、残念ながら市場に出ることはなく、その姿は幻に終わってしまいました。なぜこの革新的なプロジェクトは日の目を見ることがなかったのか?そして、その全貌とは?今回は、最近発見された特許資料をもとに、「Keystone」の詳細に迫ります。
Xbox Game Pass専用のコンソール「Keystone」とは?
2021年に、マイクロソフトはXbox Game Pass専用のストリーミングデバイスを開発中であることを発表しました。そのデバイスは後にコードネーム「Keystone」であることが明らかになり、テレビの下に置くストリーミングボックスの形をしており、通常のXboxの数分の1の価格で、クラウド経由でXboxゲームをプレイできるようになるというものでした。
しかし、残念ながら、マイクロソフトはこの計画を断念しました。XboxのCEOであるフィル・スペンサー氏は計画断念の理由について、顧客にとって納得のいく価格にすることができなかったためだと答えています。
特許申請から見えたKeystoneの姿
これまで、Xbox Keystoneの具体的な姿を見ることはできず、唯一の手がかりは、フィル・スペンサー氏が公開した動画に映るKeystoneと思われる映像のだけでしたが(フィル・スペンサー氏の後ろの棚の上段右側に注目)、Windows Centralが発見した特許出願書類のおかげで、Keystoneの詳細を見ることができるようになりました。
この特許に記載されている設計図を見ると、Xbox Series X|Sコンソールを踏襲したようなデザインしていることがわかります。
前面にはXboxの電源ボタンとUSB-Aポートがあり、背面にはHDMIポート、イーサネットポート、電源ポートの3つのポートが確認できます。また、右側面にはXboxコントローラのペアリングボタンがあり、底面には Xbox Series Xと同様に、「Hello from Seattle」が記載された円形のプレートが搭載されています。
この特許は2022年6月に提出されたもので、Keystoneに関する最初の詳細が明らかになった時期と重なるため、実際に計画が進んでいたことは明らかです。しかし、具体的な形で日の目を見ることはなく、計画は中止されてしまいました。
内部システムについては一切不明で、どのような OS やファームウェアが実行されていたかなど、よくわかっていませんし、おそらく今後もわからないでしょう。
フィル・スペンサー氏が語った開発断念理由
フィル・スペンサー氏は、Keystoneの開発を断念した主な理由が、価格であったことを以下のとおり明らかにしています。
「Keystoneは実際に内部にハードウェアを組み込んで作った際には、想定よりも高価になってしまいました。適正なコストを達成できるかどうかに焦点を当てています。
Decoder ポッドキャストのインタビューの要約
しかし、Series Sが299ドルで、ホリデーシーズンには価格プロモーションが行われ、Series Xはそれより高価です。ストリーミング専用のボックスが意味を持つためには、Series Sとの価格差がかなり大きい必要があります。私の見解では、コントローラーを同梱して99ドルから129ドルの範囲でないと意味がありません。我々はその価格に到達できませんでした。」
まとめ
プロジェクト「Keystone」は、マイクロソフトがゲームの未来を変えるために提案した革新的なストリーミングベースのコンソールでした。
テレビの下に置ける小型デバイスで、コントローラーとインターネット接続だけでXboxゲームを楽しむことができるという夢のようなコンセプトでしたが、コストの問題で計画は中止されました。
フィル・スペンサー氏が明かした価格設定の課題や、特許資料から明らかになったデザインと機能など、Keystoneの詳細を振り返ることで、マイクロソフトの挑戦と革新への意欲を感じることができます。今後、同様のプロジェクトが再び検討されるかどうかはわかりませんが、おそらくマイクロソフトはコストを下げる方法をまだ模索しており、Keystone (あるいはその新バージョン) が復活する可能性に期待しましょう。
なお、Xbox Cloud Gaming は今年後半に開始される予定で、先月には26のゲームでマウスとキーボードのサポートが開始されました。
Keystoneのような低価格コンソールが実際に発売されるといいですね!
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