次世代ゲーム機として期待が高まる「PlayStation 6」(以下、PS6)ですが、その発売後に新ハードウェアの性能を最大限に活用するゲームが登場するまでには、時間がかかると予想されています。
この記事では、その背景や今後の展望について詳しく解説します。
長期化が予想されるクロスジェネレーション期間
技術専門家チームのDigital Foundryは、次世代機と現世代機が同時に共存する「クロスジェネレーション期間」が長期化し、PlayStation 6(以下、PS6)の真のポテンシャルが発揮されるまで時間がかかると指摘しています。
クロスジェネレーション期間が長期化するとされる理由は、主に高額な開発費とパブリッシャーの投資対効果への要求にあります。近年のAAAタイトルでは、開発費が100億円以上かかることも珍しくありません。しかし、PS6が初期段階で普及するプレイヤー層は限られているため、パブリッシャーは多額の費用をかけた作品を少数のユーザーに向けてリリースすることに慎重になります。そのため、PS6向けのゲームも長期間にわたりPlayStation 5でのリリースが並行して行われるでしょう。このように、リリース初期の収益リスクを軽減しながら、次世代タイトルの開発を進める動きが見られることが予想されます。
PS6のハードウェアとAIの進化
Digital Foundryは、PS6が搭載する可能性のあるハードウェアについても注目しています。まだ詳細は不明ですが、AI技術を駆使した機能が中心的な役割を果たすとみられています。PS5 Proに搭載予定の「PlayStation Spectral Super Resolution(PSSR)」はAI技術によりグラフィックスの品質向上を図るアップスケーリング技術であり、PS6に備わるであろうAI駆動の機能の試金石と考えられています。
これまでのように、GPUの性能を単に強化してグラフィックス向上を図る手法は、コスト面や消費電力の問題から現実的でなくなりつつあります。PS5 ProとベースモデルPS5との性能差は、PS4 ProとベースモデルのPS4の性能差と比較しても大きくない点も、こうした技術的限界を示していると言えるでしょう。今後、AI技術による効率化と最適化が、よりリアルで高品質なビジュアルを実現するための鍵となるでしょう。
AMDチップを搭載すること以外は不明
現在、PS6について公式発表されている情報はほとんどありませんが、AMDが再びプロセッサーを供給することが決定されています。2022年にIntelもプロセッサーの供給を提案しましたが、価格交渉が難航し、最終的にAMDが採用されました。AMDは、PlayStation 4およびPlayStation 5でも技術基盤を提供しており、PS6でもその信頼性が評価された形となります。
PlayStation 6が登場してからそのハードウェアを最大限に活用するゲームが登場するまでには時間がかかる見込みです。クロスジェネレーションの期間が長期化する中、AI機能を取り入れた革新的なゲームがどのように進化していくのか、今後の動向に注目が集まります。
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