ソニーのPlayStation 5(以下、PS5)の価格引き上げ発表は、日本のゲーム市場に大きな波紋を広げています。これにより、これまで日本で苦戦していたマイクロソフトのXbox Series X(以下、Xbox)が注目を集め、販売が急増するという予想外の展開が生じています。多くのゲーマーが値上げ前にPS5を手に入れようと動き出す一方で、Xboxの購入に切り替える人々も増えています。
PS5値上げでXbox Series Xが注目の的に
ソニーがPS5の価格引き上げを発表したことで、日本のゲーマーの間で意外な変化が生じています。この発表を受けて、値上げ前にPS5を手に入れようと奔走しているゲーマーがいる中で、Xbox Series Xの販売が急増しています。
9月2日から、PS5通常版の価格は66,980円から79,980円に、デジタルエディションは59,980円から72,980円にそれぞれ引き上げられます。これに対し、マイクロソフトのハイエンドコンソールであるXbox Series Xは推定小売価格66,978円[税込]と、PS5より約100ドル安価な価格で提供されています。さらに、デジタル専用のSeries S(1TB)は推定小売価格49,978円[税込]と、価格競争でより有利な位置に立っています。
Xbox Series Xの販売急増とその背景
Automatonの報道によると、大手家電量販店のヨドバシカメラでは、8月29日の朝にXbox Series Xがゲームおよびコンソールの販売チャートで第8位に急上昇したとのことです。それに合わせて、ヨドバシカメラ実店舗のXbox Series Xの在庫が少なくなっていることが確認できます。
前日にはトップ100にも入っていなかったことを考えると、この急激な変化は極めて注目に値します。
PS5は値上げ前の在庫がすでに完売しており、主要な小売店(ソニーストア、Amazon Japan、ヨドバシカメラ、ジョーシンなど)での販売が停止されています。これは、値上げ前の在庫がすでに完売してしまったためです。
Xbox Series XとSeries Sは日本市場では発売以来苦戦を強いられてきましたが、この販売増加はマイクロソフトにとって喜ばしいニュースです。特に、マイクロソフトは両システムの新モデルの発売を準備しており、2TB SSDを搭載したオールデジタルのSeries XモデルとホワイトカラーSeries Sが登場予定です。
PS5へのネガティブな反応と今後の展望
一方、PS5の値上げに対する日本のゲーマーのネガティブな反応は、ソニーにとって最悪のタイミングで浮上したと言えます。ソニーは来月初めにPS5 Proを発表すると噂されていますが、今回の値上げが、PS5 Proにネガティブな印象を与える可能性があります。PS5 Proは、基本モデルよりも強化されたスペックや、PSSR(PlayStation Spectral Super Resolution)アップスケーラーによって、システムの性能がさらに向上することが期待されています。それに伴って価格もPS5より上昇することが確実なため、消費者にとって、性能と価格のバランスが魅力となるかは不透明です。
今後、発売予定の「モンスターハンター ワイルド」のようなXbox Series Xでもプレイ可能な注目度の高いタイトルが登場する中で、さらに高額なPS5 Proを購入する理由が見つからないかもしれません。最近のゲーマーがPS5を購入しようとした理由として「モンスターハンター ワイルド」を挙げていますが、SNSでは「PS5が80,000円ならPCを買ったほうがいいかも」という声も上がっています。
PS5の値上げは円安の影響があると報道されているため、Xboxも同じように値上げされる可能性があります。そのため、Xboxの購入を迷っている人は、在庫がある今のうちに購入したほうがいいかもしれません。
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